顔写真 (2007年4月7日)
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来週からいよいよ新学期が始まる。新学期と言えばクラス写真。写真ができあがるとまず真っ先に自分の顔の写り具合を見る。本物以上に写っていれば満足し、本物そのまま写っていればもう一つ物足りないと思い、自分のイメージ以下に写っていれば、あの写真屋はヘタクソだ、とボロクソに言うことになる
(笑)。 最近読んだ本(『新聞報道と顔写真』中公新書)によると、この顔写真集めがなかなか大変らしい。たとえば事件に巻き込まれて死亡した被害者宅を訪問し、お通夜をしている最中に「お写真、お借りできないですか」と切り出すのは、よほどの強心臓の人でも難しいそうだ。被害者宅が理解のある人なら話は簡単だが、なかなかそうはいかない。 そこで、出身学校に行ってクラス写真を借りてきたり、祭壇にある黒リボンの付いた遺影をこっそりカメラに納めたり、時にはその遺影そのものを寸借してくることもある(!)
らしい。さらに、他社が写真を入手できないようにするために、被害者の写真をごっそり全部拝借し、他社の妨害をすることもあるという。 ちなみに、政治家などの有名人の顔写真はたくさん準備されており、記事の内容によって選択される。例えば、汚職をして逮捕されたという場合は、手持ちの中で一番人相が悪そうなのを掲載すると いった具合である。 また、顔写真によるイメージ作りも政治家の重要な戦略である。たとえば、プーチン元ロシア大統領の「笑顔」の写真は見たことがない。彼は本当はものすごくよく笑う明るい人物らしい。しかし、頼りになるプーチン、強いロシアのイメージ作りをするために、マスコミに笑った写真を撮らせないのだという。 たかが顔写真、されど顔写真。新聞、雑誌の紙面を飾る顔写真には、こうした裏話がある。
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